独立への第一歩 -個人と法人、どちらを選びますか?-

独立を考えた時、「個人事業主」か「法人」なのか。
「個人事業主」の場合は利益が出なければ税金もかからないですし、全体的に事業を維持していくコストは安いという印象があると思います。
対して「法人」の場合は経費が多いし大げさ、と思うかも知れませんが、売上が多ければ「法人」の方がメリットが多いといえます。

いずれの形態にしろ、メリットもデメリットもあります。
まずはご自分のやりたい事業がBtoBなのかBtoCなのか、CtoCなのか、さらに一年後の売上予測などを考慮して選択することをお勧めします。

事業を始めるにあたっての経費が少なくて実験的要素が多いなら、「個人事業主」でスタートするのも良いでしょう。
手続きも簡単ですし、確定申告もシンプル。事業の廃止も簡単です。

でも、思わぬ大きな売上が上がったり、雇用の必要性が出てくるなら「法人」の方が良いといえます。
もう少し細かく「個人事業主」と「法人」を比較してみましょう。

■「個人事業主」と「法人」の比較

項 目 個人事業主 法人
開業手続と費用 開業届提出のみ(無料) 登記・定款の作成(印紙税負担他)
申告する事業内容 原則としてどんな事業でもよく、変更自由 定款に記載された事業のみ行うことが可能

事業目的の追加・変更には定款の変更手続および変更登記が必要で、費用負担有
社会的信用 法人と比較すれば低い 社会的信用が高く、大きな取引や従業員の募集などの面で有利
事業に対する責任 事業主が全ての責任を負う 法人と個人の財産は区別されている

※無限責任社員は自らの出資額に限らず、会社の債務を弁済する責任を負う
事業廃止 廃業等届出(2ヶ所) 解散登記や解散公告手続等
経費と税金 経費の範囲が狭い
(※1)
経費の範囲が広いが、赤字決算でも法人税の均等割負担有
(※2)
赤字の繰越 3年
(青色申告の場合)
9年
会計・経理処理 個人の確定申告(簡単) 法人決算書・申告(税理士が必要なことが多い)
社会保険 負担無
(5人未満の場合)
半額負担
開業手続と費用
個人事業主:

開業届提出のみ(無料)

法人:

登記・定款の作成(印紙税負担他)
申告する事業内容
個人事業主:

原則としてどんな事業でもよく、変更自由

法人:

定款に記載された事業のみ行うことが可能

事業目的の追加・変更には定款の変更手続および変更登記が必要で、費用負担有
社会的信用
個人事業主:

法人と比較すれば低い

法人:

社会的信用が高く、大きな取引や従業員の募集などの面で有利

事業に対する責任
個人事業主:

事業主が全ての責任を負う

法人:

法人と個人の財産は区別されている

※無限責任社員は自らの出資額に限らず、会社の債務を弁済する責任を負う
事業廃止
個人事業主:

廃業等届出(2ヶ所)

法人:

解散登記や解散公告手続等
経費と税金
個人事業主:

経費の範囲が狭い
(※1)

法人:

経費の範囲が広いが、赤字決算でも法人税の均等割負担有
(※2)
開業手続と費用
個人事業主:

開業届提出のみ(無料)

法人:

登記・定款の作成(印紙税負担他)
赤字の繰越
個人事業主:

3年
(青色申告の場合)

法人:

9年
会計・経理処理
個人事業主:

個人の確定申告(簡単)

法人:

法人決算書・申告(税理士が必要なことが多い)
社会保険
個人事業主:

負担無
(5人未満の場合)

法人:

半額負担

※1 税率について(個人事業主)

所得税は超過累進税率で、課税所得が195万円以下で5%、195万円超~330万円以下で10%、330万円超~695万円以下20%、695万円超~900万円以下で23%、900万円超~1,800万円以下で33%、1,800万円超~4,000万円以下で40%、4,000万円超で45%の税率となる。消費税は原則、開業した年の課税売上高が1,000万円以上である場合に、その翌々年に納税義務が生じる。

※2 税率について(法人)法人税は課税所得800万円以下は15%で、800万円を超える場合は23.4%の定率。消費税は原則、設立事業年度の課税売上高が1,000万年以上である場合に、設立3期目に納税義務が生じる。また、資本金1,000万円以上で設立した法人は、設立事業年度より納税義務が生じる。消費税は原則、設立事業年度の課税売上高が1,000万年以上である場合、設立3期目に納税義務発生。

(上記税率は平成29年3月31日までの間に開始する事業年度に適用される。)

結局のところ、
「個人事業主」は手続きがシンプルな反面、節税等のメリットが少ない。

「法人」は手続きが面倒ですが、信用面や節税等のメリットが大きい、ということになります。

損益分岐点に至った時点での売上が1,000万円にはならないだろう、と思われるなら「個人事業主」でスタート、それ以上であると予測されるなら最初から「法人」の方が効率が良いといえそうです。


許認可を必要とする事業について

事業活動を行なう事は原則として自由ですが、事業内容によっては、法律の規制により、開業に際し行政機関の許認可を必要とする業種があります。こうした業種で開業する場合には、あらかじめ行認可要件・手続などを調査しておくことが必要です。

許認可が必要となる業種を大別しますと、次の通りです。

1)生活衛生関連業種(保健所が許認可窓口の業種)
例:飲食店、食品製造業、理美容室、クリーニング業、旅館業等。
2)警察署が許認可窓口の業種
例:風俗、ナイトクラブ、ダンスホール、麻雀店、古物商(中古品販売)、警備業等。
3)旅行、運輸関連業(運輸局、都道府県が許認可窓口の業種)
例:旅行代理店、貨物運送業、自動車整備業、倉庫業、駐車場等。
4)その他
例:酒類販売業、各種学校、保育所、廃棄物処理業、宅地建物取引業、介護事業、人材派遣業、レンタルビデオ・CD等。